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子どもからお年寄りまでみんなを笑顔にします【株式会社マルサ斉藤ゴム】

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株式会社マルサ斉藤ゴム
代表取締役社長 斉藤 靖之 氏のインタビュー

赤、青、黄色といったカラフルな風船が配られていると、子どもは笑顔になって、「もらってきてもいい?」と聞いてくる。令和という時代になっても、風船には人を笑顔にする不思議な力があります。株式会社マルサ斉藤ゴムは、60年以上にわたって風船が多くの人たちに渡る仕事をされてきた会社です。超少子高齢化の日本においても風船の新しいニーズを見出し、かつ海外展開を進めて業績を伸ばし続けているものづくりへの思いを、株式会社マルサ斉藤ゴム 代表取締役社長 斉藤 靖之 氏にお聞きしました。
 

風船に思いを載せて60年以上、株式会社マルサ斉藤ゴム

――はじめに、株式会社マルサ斉藤ゴムが何をしている会社なのか、自社紹介をお願いいたします

はい。株式会社マルサ斉藤ゴム 代表取締役社長 斉藤 靖之と申します。弊社は風船の総合メーカーとして、ゴム風船・フィルムバルーン・UFOバルーンの製造販売など、この道60年以上にわたり風船を生業としている会社です。

私たちの商品は、9割が問屋さんを経由して、コンビニ、食品スーパー、ホームセンター、100円ショップ、おもちゃ屋さん、雑貨屋さんといったところで売られています。全国のセブン-イレブンで売られているゴム風船は、ほぼウチの商品です。100円ショップSeriaで扱われているゴム風船も半数以上がウチの商品ですね。

弊社の歴史は、1950年に創業者である私の祖父、斉藤秀次(ひでじ)が、ゴム風船専門問屋として創業したことからはじまります。戦後の娯楽が不足していた時代、多くの子どもたちがお小遣いで買えるようにと、駄菓子屋で1個からゴム風船を買える仕組みを作ったそうです。

1981年、これまでの個人事業体制をやめて、株式会社マルサ斉藤ゴムという会社組織に変更。2代目である私の父、斉藤尋秀(ひろひで)が会社を受け継ぎます。1993年には、タイ・バンコクにゴム風船をパッキングするアッセンブリ会社を設立。大手コンビニエンスストア、大手食品スーパーといった量販店へ安価で安心安全なゴム風船の提供をできる仕組みをつくり、事業規模を大きくしていきました。

2009年、3代目である私が代表となり、2011年にはデザイナーと共に今までにない全く新しいゴム風船『marusa balloon(マルサバルーン)』シリーズをリリース。2014年からは、欧州・東南アジアへの独自の販売展開をスタート。人口が増えつづけており、経済の発展が著しい東南アジア市場へチャレンジとして、2016年にはフィリピンに販売拠点を作るといった展開を行なっています。

 

――ありがとうございます。コンビニで見たことがあるゴム風船が、まさか、御社のものだったとは(笑)。御社の強みといったら、やはり海外展開をされていらっしゃるところでしょうか

そうですね。製造拠点が日本とタイにあり、商社もタイとフィリピンにあります。国内外のパートナー企業と協力体制を築いて、日本国内だけでなく、欧州・東南アジアに商品を販売している点は、弊社の大きな特徴ですね。

しかし、もう1つ他社にはない特徴があります。それは職人による手作りのゴム風船工場があることです。この工場は、千葉県銚子市にあるのですが、おじいさんとおばあさんがずっと2人でやってきた工場だったんですね。後継者がいないということで工場を畳もうとされていた時に譲っていただくことになりました。そこに若い人を1人入れて、おじいさんとおばあさんの教育体制のもと約2年かけて技術を承継してくれました。

また、店舗の販促用に使われるオリジナル印刷風船のほか、動物の形をかたどった『marusa balloon』シリーズ、小さな子供から大人まで参加できるコミュニケーションスポーツ『ふうせんバレー』など、「マルサ斉藤ゴムならでは」というオリジナル商品を取り扱っている点も強みといえると思います。

2009年に事業承継して、何も分からないまま経営に携わってきましたが、常になんとかなってきたのは、道標というべき経営理念があったおかげだと思います。
 
【2につづく】

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