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経営者ストーリー

高い技術力と豊かな人間力でビジネスを最大化する【株式会社GrowEgg】

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IT業界の構造的な課題に挑み続ける

― 創業から現在までに苦労されたことがあれば教えてください

独立した翌々年の2016年、前職時代からお付き合いのあった開発会社の社長に「引退を考えている。事業を引き継いでほしい」と声をかけていただいたことがきっかけとなり、二つの会社を合併して現在のGrowEggが誕生しました(法人格としては、もう一つの会社を引き継いでいる)。前社長から引き継いだもう一つの会社については、以前からある程度は分かっているつもりでいたのですが、いざ合併するとなると少なからず苦労したこともありましたね。

というのも、前代表は私とは全く異なるタイプの経営者で、完全にトップダウン型の経営者だったんです。そのため、働いていた社員たちも指示を受けてそれを素直にこなすことが得意な方が多かったように思います。小さな会社なりに、2つの会社はそれぞれに異なった社風があり、引き継いだ会社の社員の中には、殆ど接点がないままに退職してしまった社員もおりました。一番の原因は「間違った遠慮」で、その違いや私自身の考え方を明確に伝えるべきであったと反省しています。

また、引き継いだ会社の課題としてもう一つ。取引先が一社だけしかないというリスクを抱えていたんです。既存の社員が望んでいる状況なのであればまだしも、一人ひとりヒアリングした結果、全くそうではないとの答えが返ってきました。よくよく話を聞いてみると、前代表の決めたことには誰ひとりとして口を挟めない状況だったようです。

いくらトップダウン型の組織だったとはいえ、あまりにも閉鎖的な状況だったことに驚きを隠せませんでした。それならば変えるべきだと判断し、優先して新しい取引先を増やすことから取り組むことに。現在では新たな取引先を獲得して、一社依存体制から脱却することができました。

合併による二つの組織風土の融合はまだ完璧とは言い切れない部分があるのは事実です。ただ、組織の文化や風土は、地道にコミュニケーションを続けていくことでしか形成されないため、社員との接点を増やして対話を重ねていくことでGrowEggの新たな組織風土を育んでいきたいと思っています。

― 現在、課題だと感じられている点はありますか?

顧客からソフトウェア開発を受注した元請けが、下請け・孫請けに再委託する重層的な下請け構造からの脱却が大きな課題です。これはIT業界全体の構造的な問題であり、抜け出すのは簡単ではありませんが、技術力だけでなく営業力を高め、顧客が見えるポジションで仕事をする活動を常に意識し続けなければなりません。

少なくとも下請けの立場で仕事をこなすことを当たり前とは思いたくないですし、社員にも思ってほしくないですね。まずは自社の営業力を強化して、派遣開発・受託開発の取引先を拡大していきながら、将来的にはGrowEgg独自のシステムを開発し、より価値の高い仕事を提供していきたいと思っています。

また、IT業界は慢性的な人手不足が深刻化しており、一時期は誰でもいいからどんどん人を増やしていくような風潮が蔓延していました。しかし、今後はある意味で本当に力のある人材が残っていく時代になるのではないかと思っています。それに伴って、ソフトウェア開発会社も実力で淘汰されていくような時代がやってくるはずです。

IT人材の需要は今後も高まり続けるとは思いますが、AIなど最先端技術は本当に驚くほどのスピードで進化しており、人の手を介していた仕事がある程度AIなどに置き換わる状況が近い将来必ず訪れるでしょう。人間に求められる仕事は高度化する一方なので、時代の要請に応えられるよう、常に変化・挑戦を意識していかなければならないと感じています。

― 今後の展望・目標を教えてください

将来的には組織的な規模を2倍にして、売上げ規模は5倍を目指していきたいと思っています。ただ、現在の派遣開発や受託開発のビジネスでは、人月商売とも言われるように売上げを増やすためには比例して人員を増やしていかなければなりません。人月商売から脱却して、生産性の高い新しいビジネスモデルの構築が大きなテーマになってきます。

そのために自社独自のシステム開発などに挑戦していきたいと思っていますが、自社の強みを伸ばして他社と差別化していくのにあたって強化するポイントはやはり人材の育成。大手企業と比べると中小規模の企業では社員教育に時間もコストもかけづらいのは正直なところですが、GrowEggでは昨年から社員教育の取り組みを強化しています。

教育をしたからといって、すぐ何らかの成果が生まれるわけではありません。しかし、長期的なスパンで考えると大きな違いが出てくると思うんです。目先の売上げを上げることよりも、社員が成長することができる機会を提供し、その結果として会社も成長していきたいと考えているため、今後も社員教育には積極的な取り組みを継続していきます。

「GrowEgg」という社名には「会社も私たち人も小さな存在だけど、そこから成長していこう」という想いを込めています。仕事を通して「もっと成長していきたい」、「思い描いた自分を実現したい」という想いのある方と是非一緒に仕事をしていきたいですね。そういう想いを抱きながら叶えられていない方がいらっしゃいましたら、GrowEggに一度遊びにきてください。

株式会社GrowEgg
代表取締役:加藤 千尋
設立:1990年5月30日
所在地:〒102-0074 東京都千代田区九段南4-4-5
URL:https://grow-e.com/