キモチデザインカンパニー【砂山靴下株式会社】
砂山靴下株式会社
代表取締役 砂山 直樹 氏のインタビュー
靴下を履かないファッショントレンドの時に、靴下の売上を伸ばした靴下ブランドSUNAYAMA。流行に逆らうことを辞め、消費者のお悩みを解決することに注力した結果、「少し高くても絶対買いたい」と思われる独自路線の商品ラインナップを確立しました。その発想はどこから生まれたのか。商品づくりで何を大切にしているのか。今回は、砂山靴下株式会社 代表取締役 砂山直樹氏のストーリーをお届けします。
――はじめに、砂山靴下株式会社が何をやっている会社なのか、自社紹介をお願いします
砂山靴下株式会社は、靴下の製造メーカーです。私たちがお客様にお届けしたいのは「モノ」としての靴下ではなく、靴下を通してお客様の生活に「心地よさ」「喜び」といった感動を体験していただくという「コト」と考えています。
私たちの商品が目指しているのは、「肌着としての靴下」から「悩みを解決し、生活を少しでも心地よく楽しめるような雑貨」。製造メーカーである前に「ひとりの消費者である」という当たり前の事実を強く認識し、「あったらいいな、をカタチにする」企業として、身のまわりのほんの小さな困りごとにもフォーカス。解決するための商品を開発し、ご提供しています。
現在は、健康・美容分野を中⼼に幅広いフィールドで展開を図っており、市場の最新動向やモニタリングといったマーケティング調査に注⼒、また専⾨家ならではの知⾒を取り入れた共同開発などを積極的に⾏なっています。
創業50年の歴史に裏づけされた高い技術⼒と、若いスタッフのアイデアを融合させ、1⼈でも多くのお客様にSUNAYAMAファンになっていただけるよう、日々精進し取り組んでいます。
――事業を展開されている中で、こだわっているところ、他社との差別化ポイントを教えてください
強みは、お客様のお悩みを解決する商品づくりですね。現在、日本の靴下において国産品のシェアは全体の10%。あとは海外生産の商品となっています。価格競争に巻き込まれてしまうと勝負になりませんから、コスパ以外の価値を感じてもらえる商品を作らなければならないという思いがありました。
会社の方向転換の契機は、生足素足ブームですね。女性たちが靴下を使わず、素足にサンダルやミュールを履くようになったんですね。ところが、もともと肌を守っていた靴下がなくなったことで、女性の足のお悩みは増えていきました。女性社員に「手を見せて」というと簡単に見せてくれますが、「足を見せて」というとドン引かれる。そこには、すぐに見せられない理由があり、人に知られたくない悩みがあると確信しました。
オンの時は素足で外出されればいい。でも、自宅にいる時などオフの時には素足をケアする。
角質やむくみを取ったり、外反母趾を治したり、かかとをツルツルにしたり。美脚へ訴求する商品を作ったところ、これが大ヒット。加えて、人に知られたくない悩みは女性としてはこっそり治したいもの。通販やネットショッピングで買えるという点も、たくさんの支持を獲得できました。
今から15年前、この私たちが進むべき方向性の原形が確立されたのですが、ここが差別化ポイントになっていると思います。
――仕事でのこだわりに通じる御社のビジョンについて、教えていただけますか
<ビジョン>
「キモチデザインカンパニー/当社の製品を通じてお客様のキモチがワクワクすることを実現していきます」
これは、5年前に作りました。売ることが目的ではなく、使ってもらってよかったと思ってもらえることが一番という、私たちのものづくりの考えを明確にしたものです。
たとえば、ダイエット。それは、目的なのか手段なのかというと、手段なわけです。痩せることで、モテるようになったり、自信をつけたいといったことが、目的になります。私たちの商品は、どう頑張っても目的にはなれないものであり、手段でしかありません。だからこそ、私たちはお客様の目的をきちんと見据えて、目的を叶える商品を作らなければならないと考えています。
目的が叶った未来を想像すると、つい笑顔になっちゃうじゃないですか。ワクワクしますよね。そういう姿勢で商品を作っているということを、社内・社外に伝えたいという思いがここには込められています。
――最後になりますが、砂山靴下株式会社をこれからどのようにしていきたいと考えていらっしゃいますか
基本的にやるべきことは変わりません。現在、いろいろな企業様とコラボレーションさせていただく機会が増えてきました。企業様いわく、「砂山さんはユニークなので、一緒に仕事がしたい」ということ。お客様の悩みを把握し、その解決のために商品開発を行ない、専門家の方のご協力をいただき、売れる紙芝居(ストーリー)をつくっていくという、私たちのものづくりが評価されています。
私たちとしても、企業様とのお仕事を通じて、自分たちのメニューの引き出しを増やしていけるとともに、ものを売る機会を増やせますので、このようなご縁を大切にしていきたいですね。
一度は、価格競争に巻き込まれるという理由で離れていた量販店ですが、最近では量販店から声をかけていただく機会があり、新規事業領域として「量販店専門部隊」が生まれました。手がける商品も、女性お悩みソリューション雑貨だけではなくなってきています。そのため、現在は採用を強化しているところです。 安くできないかわりに、ウチが入ると商品が売れる紙芝居(ストーリー)を、これからも作っていきたいと考えています。
砂山靴下株式会社 代表: 代表取締役 砂山 直樹 設立: 1963年6⽉17日 所在地: 〒124-0022 東京都葛飾区奥⼾6-27-5 URL: https://www.sunayama-socks.com/ |