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経営者ストーリー

すべての人に気づきを、そしてきっかけを。【TAAS株式会社】

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発想の転換で常識を打ち破る

― TAAS株式会社を設立されたきっかけを教えてください

起業する1ヶ月前、2016年8月にe-Pod事業の原型となるサービスのイメージが自分なりに思い浮かんだことでランサーズを退職して、同年9月にTAAS株式会社を設立。設立後、1年間かけて構想を形にして、現在の「e-Pod Digital」の前身となる「e-Pod for Business」を2017年9月にローンチしました。

ランサーズ時代、海外事業のためフィリピンと日本を頻繁に行き来していたのですが、日本に帰国して自宅マンションに戻ると、1~2週間不在にしている間に郵便受けが投函物で溢れかえっているのが目に留まったんです。郵便受けに溜まったチラシはほとんどがゴミ箱行きになるものばかり。それを漫然と捨て続けていること自体「もったいない」と感じました。

個人でさえこれだけ無駄に資源を廃棄しているなら、多くの機密文書を取り扱う企業であればなおさら無作為に書類が処分されていて、その処分に対して生産性のないコストが発生しているだろうと考えました。それが、ただ捨てられるだけの書類を回収してリサイクルし、オフィスで活用できるノベルティとして還元するというe-Pod事業の着想を得た原点です。

設立当初はアイデアと熱意だけでスタートしたので、御多分に洩れず資金繰りで苦労したこともありましたが、e-Pod事業は必ず成功するという確信に近い思いはありました。それに、最初に就職したベンチャー企業で本当の意味でのギリギリな状況を経験していたので、その時に比べればまだ全然マシだと思いもありましたしね(笑)。

― どのような背景から機密文書処理の無料化に挑戦されたのでしょうか

当初提供していたe-Pod for Businessは、月額課金制で一定の利用料をユーザー企業にお支払いいただき、専用ボックスで回収した書類を溶解処理してノベルティとして還元するというビジネスモデルでした。最初は有料サービスだったんです。

経費削減とエコを両立させた仕組みの革新性から、大手企業に採用していただいたり、多くのメディアで取り上げていただくことができましたが、有料であるため、どうしても企業に導入していただくスピード感が損なわれてしまうことが当時の一番の課題。

どうしたらスピード感を持って導入していただけるか、スケール性が生まれるかを考えて、「サービスの無料提供」に挑戦しようと決めました。古紙回収業界では有料なのが当たり前。Amazonのジェフ・ベゾスが小売業界に変革を起こしたように、従来の常識にとらわれることなく無料化を実現できれば、間違いなく社会に大きなインパクトを与えられるだろうと。

e-Pod for Businessで構築した循環型ビジネスの基盤に、ゴミ箱をメディア化して広告モデルでマネタイズするアイデアを加えて、e-Pod Digitalという全く新しい機密文書処理のサービスが誕生したんです。

パートナーとの共創で目指すは世界3大陸でのIPO

― TAAS株式会社のビジョン・ミッションを教えてください

我々が掲げているビジョンは「すべての人に気づきを、そしてきっかけを。」。この言葉には「提供するサービスを通して、一人でも多くの方々に『なるほど! こういう考え方があったんだ!』といったような気づきを与えるような会社でありたい」という想いを込めています。

そして、ミッションとして掲げているのは「Make history. Innovate in our own hands.(歴史を創ろう。革新を自らの手で。)」。これは「一つのサービスで、業界自体を根底から変えるくらいのインパクトを残せるプロダクトを出していこう」というテーマから定めました。

たとえば、AppleがiPhoneでデジタルデバイス業界を大きく変えたように、またはAmazonがネットショッピングで小売業界を変革したように、一つのプロダクトで業界全体を巻き込めるくらいのサービスを提供する会社でありたい。そう思っています。

このビジョンとミッションは、起業する前から決めていました。現在はe-Pod Digitalを主力サービスとして機密文書処理事業を行っていますが、ドメインをそれだけに限定せずに、他の事業領域でもビジョンとミッションを実現するためのビジネスであれば、積極的に挑戦していくつもりです。

― 今後の目標・展望を教えてください

直近の目標としては、3年後、2022年までに機密文書処理サービスの領域で、まずはナンバーワンになること。そして、広告領域においても、「オフィス内で発信できるコミュニケーションプラットフォーム」として、圧倒的なナンバーワンを確立させることですね。
そして、そのどちらも「ナンバーワン」という実績をもとに2023年春にマザーズに上場することを中期的な目標として目指しています。

また、e-Pod事業はG20に参加する主要先進国・新興国では展開できるビジネスだと考えているため、長期的にはヨーロッパ、EUで、そして最後にアメリカ、NASDAQでのIPOを視野に入れています。アジア・ヨーロッパ・アメリカと、世界三大陸で影響力を持つサービスを提供している会社にしていきたいと思っているんです。それを10年以内には実現したいですね。

TAASでは完全分業型でサービスを提供しており、たとえば物流であれば日本郵政とパートナーシップを結ばせていただいていますし、各領域におけるプロフェッショナルな企業と提携してe-Pod事業を展開しています。

これは自社だけで完結させるのではなく意図的に他社を巻き込みながら展開していくことを考えて、提携するパートナー企業にもメリットがある事業設計をしているんです。海外に進出する際には、どの企業とどのように提携していくか、戦略的に組み立てていかなければならないと思っています。

― 大越CEO個人の夢をお聞かせください

個人的な夢としては、将来的に海外で学校をつくりたいと思っています。特定の地域に限定するのではなく、まだ教育が行き届いていない国々で学校をつくり、そこで子どもたちに学ぶことの楽しさを実感してほしい。将来的に、そこから新しいビジネスを始めるような起業家が育っていってくれたら本望ですね。

世界から見ると日本は本当に恵まれた国ですよね。日本と同じようなレベルで教育などの環境を整備してあげることで、多くの子どもたちのポテンシャルを引き上げることができると思うんです。

平等に機会を提供してあげれば、おそらく日本よりもはるかに高いパフォーマンスを発揮できる人が生まれてくるだろうという確信があるため、世界で活躍できるような人材を支援する環境を用意できるようになりたいと思っています。

ビジネスの世界でもっとも大切なのは、失敗を恐れずに挑み続けていくこと。チャレンジする前に「ああでもない、こうでもない」といくら論じても、アクションを起こさなければ何も生み出すことはできません。可能性を信じて自分がやりたいことの実現に向けて果敢にチャレンジする人が増えていってほしいですね。

TAAS株式会社(TAAS INC.)
代表取締役兼CEO 大越 隆行
設立日:2016年9月23日
所在地:〒150-0011 東京都渋谷区東3丁目16-10 三浦ビル4F
URL:https://www.taas.jp/
e-Pod Digital:https://digital.epod.jp/