高い技術力と豊かな人間力でビジネスを最大化する【株式会社GrowEgg】
株式会社GrowEgg
代表取締役 加藤 千尋 氏のインタビュー
技術力と人間力を兼ね備えたエンジニアを育成し、システム開発・インフラ構築・サイト運用など多岐にわたる分野でITエンジニアリングを提供する株式会社GrowEgg。業界の常識にとらわれることなく、社員に成長する環境を提供できる理想の会社を実現するためにGrowEggを創業した加藤代表に、システム開発にかける想いと将来の展望を伺いました。
技術力と人間力を兼ね備えた人財力で勝負する
― はじめに、主な事業・サービスについて教えてください
株式会社GrowEggは、主にITエンジニア派遣事業と受託開発事業の二つを提供しているソフトウェア開発会社です。派遣事業は、弊社から派遣したITエンジニアがクライアント企業に常駐してお客様と一緒に開発にあたらせていただく事業。受託開発事業では、お客様から受託した案件の開発を弊社内で行わせていただいています。
創業は1990年ですが、GrowEggの前身となる会社の前代表から事業を引き継ぎ、私が経営していた開発会社と合併して現在のGrowEggが誕生したのが2016年。以前はエンジニア派遣事業を専業で行っていましたが、私が代表を務めるようになってから、エンジニアがもっと成長できる環境を整えたいと考え、受託開発事業も手がけるようになりました。
GrowEggの強みは、開発エンジニアが全員Javaを習得しており、高いレベルでJavaシステムを開発することができる点。仕事柄、他社のエンジニアと接する機会は多くありますが、同業他社と比べて技術力は相当高いレベルに達していると自負しています。
また、リーダーシップやマネジメントなどヒューマンスキルの開発にも力を入れており、技術力と人間力を兼ね備えたエンジニアを育成していることも強みの一つ。現在は派遣開発・受託開発しか行っていませんが、今後はお客様のシステムを開発するだけでなく、強みを活かして自社独自のシステム開発にも挑戦していきたいと思っています。
エンジニアが成長する機会を提供できる会社を目指して
― 加藤社長は、どのような経緯で起業されたのでしょうか
大学卒業後に新卒として、ある大手企業の子会社に就職。初めに担当した仕事は業務系システムのインストラクターでした。全国各地の支店や代理店、エンドユーザーに新しいパッケージの説明をするのが主な業務内容。配置転換により、営業担当者に同行して技術面で商談をサポートする業務にも従事し、その会社では計5年間お世話になりました。
その後、転職したのがソフトウェアや機械設計、電子回路設計などを全般的に扱うエンジニア派遣会社。この時に初めて派遣業界に携わり、以来20年以上この業界で経験を積んできました。初めは派遣の事業形態にマイナスなイメージを持っていたこともありましたが、仕事の中で派遣事業の意義を見出すことができるようになり、現在まで続けてこられています。
私はもともと起業を目指していたわけではなく、むしろどちらかと言うと独立志向はない方だったと思います。独立するきっかけになったのが、勤めていた会社が社長交代を繰り返し、最終的には不祥事を起こしたこと。その時に役員の方々が責任を取ろうとしない態度に落胆の気持ちを覚え、経営に携わる人たちの心持ち一つで会社の方向性は如何様にもなってしまうことを痛感させられました。
どれだけ理想とする会社像があったとしても、自分の会社ではないため社員の立場では意志決定できる範囲が限られるのは当然です。自分が目指す会社を実現するためには、自分自身が経営者にならなければならない。そう考えて2014年に独立を決意し、信頼する2名のスタッフに声をかけて会社を設立する運びとなりました。
― どのような会社像を目指して独立されたのでしょうか
前職時代に会社に対して抱いていた最大の課題感は、利益を追求することが何よりも優先されて、社員への先行投資が疎かになってしまっていたこと。企業である以上、利益を追い求めるのは当たり前です。ただ、独立するにあたっては、利益を出した上で社員が成長できる環境を提供することができる会社をつくりたいと強く思っていました。
エンジニアにとって、派遣されたお客様企業に常駐して働くことにはメリットとデメリットがあります。メリットとしては、様々な経験を積むとともに幅広い技術を身につけられること。そして、他社の方々と一緒に仕事をすることでエンジニアとしての自分の立ち位置が分かること。若手のエンジニアにとってそれは大きな財産になるはずです。
一方、デメリットとしては、あくまでも外部の人材として企業の中で働かせていただくため、プロジェクトマネージャーやリーダーといった重要なポジションを経験することが難しく、ある程度キャリアを積んだベテランエンジニアが次の段階にステップアップするのが難しいという点が挙げられます。
社員の将来を考えた時、お客様企業に常駐して働くだけではエンジニアとしての成長が阻害されてしまうことは否めません。エンジニアが外で働いてくれれば、その分だけ会社としては売上げも利益も上がります。そのため、会社が利益偏重になるとエンジニアが成長できる環境が失われてしまうという構造的な課題があるのです。
この業界全体が抱える課題を解消するのは容易ではありませんが、変えようとする姿勢がなければ現状を打開することなどできません。エンジニア一人ひとりの価値を追求し、会社が社員の成長する機会を提供する場になること。それが私の理想とする会社像です。
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