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経営者ストーリー

再現するのではなく、表現すること
【株式会社アクティブデザイン】

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株式会社アクティブデザイン
代表取締役 﨑山 昌子 氏のインタビュー

建築CGパースをはじめ、CGアニメーション、VR、AR、タッチパネルなどのデジタルコンテンツやサイネージ等の企画提案から制作までを行なっている株式会社アクティブデザイン。「再現するのではなく、表現すること」をスローガンに、制作物を見た人の心に訴えかけるクリエイティブにこだわる思いについて、代表取締役社長 﨑山 昌子 氏にお話をうかがいました。

株式会社アクティブデサインという会社について

――では初めに、株式会社アクティブデザインが何を行なっている会社なのか、自社紹介をお願いいたします

はい。株式会社アクティブデザイン 代表取締役社長 﨑山 昌子と申します。弊社は大きく2つの事業を展開している会社です。

1つは、不動産広告または建築を主体とした「建築のCGパース制作」。マンションや戸建住宅、都市景観等の完成予想図の制作は20年以上行っている弊社の主力事業です。他にも建築以外のプロダクト製品などのイメージを可視化したい、インパクトある表現をしたいといったご要望にもCG技術でお応えする事が可能です。簡単なイメージからでもリアルに制作できる技術と、CGの持つ多彩な表現力によって、お客様の「イメージ」をカタチにしています。

もう1つは、「クリエイティブソリューション事業(CS)」。デジタルコンテンツやサイネージの企画・制作、XR(VR,AR,MRの総称)と呼ばれる仮想空間を様々なデバイスやセンサー、カメラを使いインタラクティブな表現にしたり、プロジェクションマッピング等の映像制作、サーバ管理・運用といったネットワークに関するサービス等、様々な技術を組み合わせた弊社ならではのクロスメディアなプロモーション型のコンテンツまで、幅広くご提案しています。

2つの事業のジャンルが離れている印象を抱かれるかもしれませんが、「見せる」ことから一歩進んだコミュニケーション型のアウトプットまで、幅広いニーズにお応えしている会社とご認識いただければと思います。

アクティブデザインの作品の1つ

――ありがとうございます。次に、これまでの御社の変遷について、お聞きしてもよろしいでしょうか

はい。株式会社アクティブデザインは、私と先代社長である寺島が前職の手書きパース制作会社から独立しスタートした会社です。

最初からCGパースを制作していたのではなく、私は透明水彩を使用したインキングパースやスケッチ系のパースを担当し、先代は不透明絵具を使用した重厚感のあるパースを描いていました。ひとえに手書きパースと言ってもいろいろな画風があるんですよ。

そこに程なくして若いパソコンおたく系の男の子が加わりました。

彼は手書きのパースよりもパソコンのほうが長けていたため、試行錯誤しながら下図をパソコンでモデリング出来るようになり、制作も段々とデジタルへと変化し、仕事も順調に増えた為、チームでの仕事が必要となり法人化しました。1996年のことです。

当初は、会社を作って大きくしていく構想はありませんでした。ツテもコネも全くなかったので、毎日マンションのパースが載っている新聞の折り込みチラシに書かれている会社へ片っ端から電話し、アポイントが取れた会社へ作品ファイルを持って営業を続ける日々が半年ほど続きました。今考えると無謀ですよね。当時は若かったのもあってか技術があればなんとかなるなんて漠然とした自信というか意気込みだけはあったのですが、やはり世間はそんなに甘いものではなく、半年ほどは仕事らしい仕事がない日々が続きました。

とにかく何でも良いから絵を描きたくて、しまいには自社サンプル作品を作る為と割り切って『初回1枚目は料金はいらないのでパースを描かせて下さい、見て頂いて気に入れば次回ご発注下さい。』と言って営業を掛けた会社で、『じゃあ描いてみて』となり描かせて頂いた会社様とは今でもお付合いをさせて頂いております。

その様な状況でしたので、目の前にある頂いたお仕事を必死にこなす毎日でした。段々と一社、又一社と取引先が増え、それと共に社員も順調に増えて行きました。

CGパース制作から動画制作へと事業領域も広がり、更にこれからはデジタルコンテンツやサイネージを使った先進的な表現へ変わっていくだろうという先代の読みから、2008年クリエイティブソリューション事業部を立上げ、タッチモニターを使ったデジタルコンテンツやサイネージ商品を開発、製品化していきました。当時、すごいものが出来たと分かっていたのですが、時代がまだ追いついていなくて、またその凄さを世の中に上手く伝える事が出来なかったのです。私たちはもともと制作者だった為、見せ方や売り方などのプロモーション活動があまり上手ではなかったのです。

ところが、ここ2、3年でVRなどがやっと世間でも認知され注目されてきて、それによって、温存していたものがようやく仕事につながるようになってきました。
 

――御社の「強み」は、建築のCGパース制作とクリエイティブソリューションの2本柱があるところでしょうか

確かにそれは特長ではあるのですが、私はまだ「強み」とは言えないと思っています。「建築のCGパース制作」と「クリエイティブソリューション事業」は現在部署が分かれておりお客様も違います。これからは両事業部が連携し、お互いの事業に付加価値を付けシナジー効果を生むような事業が伴ってこそだと思っています。

売上の構成比も、「建築のCGパース制作」:「クリエイティブソリューション」で、4:1といった感じです。

「建築のCGパース制作」は、マンションデベロッパーやゼネコン、設計事務所、ハウスメーカー等が主なクライアントですが、良い作品を仕上げることで、「またお願いします」と次の仕事に繋がることが多いのです。「クリエイティブソリューション事業」のほうは、固定クライアントからのリピートというよりも、イベント、展示会、周年記念会など、1つひとつの仕事が単発で終わることが大半です。

メイン事業である「建築のCGパース制作」の「強み」としては、「建築パースとCGの知識、それぞれの高い経験値」があることですね。私たちは元々手書きの建築パースからCGへ移行したので、建築物の理解度、見せ方については長けています。また建築3DCGの中でも、不動産広告のビジュアル面を長年やらせて頂いてきたので、その部分については評価をいただいているのだと思います。
 

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